木道以外立ち入り禁止
木道の役目は湿原や森を踏み荒らしから守ることです。歩きやすいように設置されているだけではありません。木道から湿原などへ立ち入らないようお願いいたします。
湿原は一度踏み荒らしてしまうと、元に戻るまでに非常に長い時間がかかります。
具体的には、1年間に0.7mm〜0.8mmほどしか復元が進みません。つまり、10cm踏み潰してしまうと、元の状態に戻るまで約140年かかることになります。
もちろん、木道以外でストックを突いたり、三脚を立てたりするのも厳禁です。尾瀬の自然を守り、後世に残していきましょう。
ちなみに、尾瀬の木道の総延長は約65km。なんと山手線を2周するほどの長さになります。
右側通行・登り優先
尾瀬の中は基本的に右側通行で、登りの方が優先です。人とすれ違うときは、右側に寄って避けるようにしましょう。
ただし、右側通行なのはあくまで尾瀬のルールであり、全国的には左側通行の場所や、そもそも通行方向が定められていない山も多くあります。
どんな場所でも譲り合いの心を忘れず、接触事故を防ぎましょう。
また、すれ違う際に相手へ背中を向けるとリュックがぶつかりやすくなりますので注意ください。
動植物は採らない
尾瀬国立公園は、多くの場所が特別保護地区に指定されており、動植物の採集はできません。
虫取りや山菜・キノコ採りなどはご遠慮ください。取ってよいのは写真だけです。
国立公園の中でも、特に自然環境の価値が高く、手つかずの景観や生態系を厳重に守る必要がある区域を「特別保護地区」といいます。
湿原、原生林、高山帯など、貴重な自然が残る場所が指定されており、強い規制がかけられています。
尾瀬には貴重な動植物がたくさんあります。後世に豊かな自然を残していきましょう。
ゴミは持ち帰り
尾瀬にはゴミ箱が一つもありません。すべてのゴミは持ち帰りにご協力をお願いいたします。
梅干しの種やみかんの皮など自然のものでも、動植物に影響が出るため捨てることはできません。 カップ麺の汁を捨てるのも絶対にNGです。(飲み切るか、ペットボトルなどに入れて持ち帰りください。)
尾瀬でゴミの持ち帰り運動がスタートしたのは1972年(昭和47年)です。
当時設置されていた約1,400個のゴミ箱をすべて撤去したという歴史があります。
いまでは当たり前となった「ゴミ持ち帰り」ですが、当時は反対する声も多かったそうです。
公衆トイレはチップ制
トイレ1回につき100円程度の協力金をお願いします。山ノ鼻地区など、一部ではQRコード決済も利用できます。
尾瀬ではトイレのし尿処理に多くの費用がかかっています。
浄化槽で処理した汚泥をヘリコプターで尾瀬の外へ運び出したり、浄化した水分をパイプラインを通して排出したりしています。
さらに、トイレットペーパーや清掃にかかる人件費も必要です。
尾瀬の綺麗で快適なトイレ環境を維持するため、チップへのご協力をお願いいたします。
ちなみに、山小屋のトイレにはウォシュレットが付いています。
ウォシュレットを使用することで紙の使用量を減らし、浄化槽の負担軽減にもつながります。
尾瀬では、環境に配慮したさまざまな工夫が行われているんでね。
ペットはNG
家族同然の存在かもしれませんが、尾瀬にペットを連れてくるのはご遠慮ください。
野生動物を刺激してしまったり、病気を移したり移されたりします。尾瀬を訪れる際はペットはお留守番をお願いいたします。
介助犬は連れて入ることはできます。介助犬については、飼い主との間でリードにつながれたままですので、法律上禁止されている「放つこと」にはあたりません。
(
環境省HPより引用)
適切な装備で訪れる
湿原にお花畑のイメージの尾瀬ですが、2000m級の山々に囲まれた立派な山岳エリアです。
季節に合わせた登山の服装、持ち物でお越しください。
尾瀬の中には道路はなく事故の際に救急車が入ってくることもできません。
登山靴・レインウェア・防寒着・ヘッドライト・飲み物・行動食は必ず必要となります。
こちらの記事も参考にして見てください。
尾瀬での服装・持ち物